故障が多いと噂のRX8ですが、よくある事例であるところのエンジンチェックランプ(警告灯)が点灯したので原因の特定から部品の手配、交換修理までの記録を解説していきます。
はじめに
この作業は結構骨が折れます。ネジが非常に入り組んだところにあり、首振りジョイントが必要になったり緩めたネジを引っ張り出す際にエンジンルームに落としたりで四苦八苦したのでもうやりたくないです(笑)。2日かけてじっくりやりましたが、楽しんでやれない方はプロにお任せすることをおすすめします。
エンジンチェックランプ点灯の原因は?
エンジンチェックランプの点灯だけではどこが原因かはわかりません。が、よく挙げられるのがイグニッションコイルです。中古車を購入した際は予め交換するのが推奨されるもので、プラグと一緒に交換した上で1年ほど様子を見ていましたが今回、再度ランプが点灯してしまいました。結果的には点火系トラブルの予防とインマニ外しのいい予習になりましたが、これから手を入れられる方は先にOBD2の導入をおすすめします。
このほかO2センサーやスロットルバルブも原因として散見され、後者は明らかなエンジン不調が出るようです【備忘録】。
OBD2は車からエラーコード等の読み出し、クリアができる
人気のWiFi版と、省電力でコンパクトなBT版などがあります。電力は車両から常時供給されます。刺しっぱ注意!
スマホアプリでデータをスキャン
今回利用したのは「Car Scanner」。警告灯のクリアや、エラー点灯中の走行距離を確認したりできます。
OBD2スキャナでECUからのエラーコードを確認
アダプタを車に差し込み、スマホからBT接続したらアプリからデータをスキャンしていきます。接続口はハンドルの右下あたりです。※ただちに電源が供給されるので少電力ではありますがバッテリーあがりには注意!
エンジンアイコンをタップして早速エラーを読み出してみましょう。
スキャンが完了すると結果が表示されます。
ステータス:確認済み
過去に発見されたエラーで、クリアしてないものが残っています。この場合、以前から点灯していたのはイグニッションコイルではなく、このP2259だったことがわかります。
ステータス:臨時エラーが出ています
ここで言う臨時は「新規」です。確認済みに対すると「未確認」ですが、説明の通り過去ログではなく今回のキーONで新しく検出されたエラーです。症状によってはエラーが休眠することもありますが「臨時エラー」が出た場合は今そこにあるエラーですので目をそらさずにやっつけましょう。
OBDII:Secondary air injection(AIR)system, Control B – circuit low
「2次エアインジェクション(空気導入)システム」の「制御B(開閉?)」が「回路低(電圧?)」、といった内容です。これによると「2次エアソレノイドバルブ(電磁弁)」の交換が必要とのこと。実際のところランプが点くだけで何か目立った不具合は出ていないのですが、不健全だし車検も通らないので早めに対処しましょう。
安心の純正品↓は型番「KL01-18-741」(¥6,500)ですが、少々お高いので社外品を探します。
「K5T49090」相当品で検索すると色々すごいのが出てきます。800円てなに…モック?
3つ買ってもお釣りが来ちゃいます。今回は一番安い商品を使いました。ただし納期がひどく長いので急ぐ場合は別のを。
2022年追記:車検通りました!モックじゃなかった…
ソレノイドバルブ(電磁弁)の場所
さて、問題のソレノイドバルブはエンジンルーム中央奥、インテークマニホールド(インマニ)の下にあります(矢印)。
- ソレノイドバルブにアクセスするにはインマニを外す必要があります。
- インマニを外すにはスロットルボディを外す必要があります。
- スロットルボディを外すにはエアクリーナーに繋がる蛇腹を外す必要があります。
- 蛇腹を外すにはタワーバーを外す必要があります。
えぇ…(困惑
蛇腹
今回エアクリは関係ないので奥側から外していきます。ホースが2本つながってるので外しておきます。円周を閉めてあるバンドのネジを緩めて蛇腹を縮めるように奥から手前にグイグイ引っ張ります。
スロットルボディ
蛇腹が外れたらスロットルボディを外していきます。左上のケーブルがパツパツだったので念の為外します。ネジは4箇所です。
インテークマニホールド(インマニ)の取り外し
ホースが表裏に計4本ほどあるので外しておきます。青いのはカチッとツメが噛むタイプなのでドライバで緩めながら引っ張ります。
ネジが合計7本で止まっています。奥の2つはユニバーサルジョイントを使ってもかなり届きづらいです。ネジをナメないように慎重にやりましょう。回ったとしても油断大敵、ネジを落とすとやっかいです。呪文「落とすなよ!絶対落とすなよ!」を唱えながら祈りましょう。…私は落としましたが、幸い崖の途中に引っかかっていたので助かりました。ルパン三世かな?
特に写真手前の2本は下側から止まっているので一瞬たりとも油断はできません。あんのんと緩めていたら抜けた途端に奈落です。
ホース(2本)固定用のL型金具が共締めされています。ホースを外すと作業スペースを確保できます。
3連ソレノイドバルブを交換
インマニが外れ、やっとソレノイドバルブが見えました。垂直に3つ並んでいるので全部外します。頭の電源プラグと横のゴムホースを抜いて、ツメのかかっているところにマイナスドライバーを差し込みながらグイグイ引っ張ります。
エンジンルームに乗る場合はプラパーツを割らないように注意しましょう。サイドから手を伸ばす場合はベルト金具などでボディーを傷つけないようにも注意です。
外れました。あとは外したのと逆順に組み付けていけば作業完了です。
ところで、3つのソレノイドバルブの役割は?
上から順番に、以下のような役割とエラーコードがあります。
\ | エラーコード | 役割 |
---|---|---|
上 | P2259 | AIR(エキゾーストエアインジェクション)※未燃焼排ガスに空気噴射 |
中 | P0061、P0062 | SSV(セカンダリシャッターバルブ)※2次吸気管の開閉 |
下 | P0076 | VDI(ヴァリアブルダイナミックインテーク)※可変動吸気 |
エラーコード(DTC)の消し方(クリア)
バッテリーを抜くことでエンジンチェックランプを消すことは可能ですが、ECUの再学習が手間なのと前述のログが残ります。走行には支障ありませんが車の健康状態を適切に管理するためにOBD2で消しておきましょう。
さいごに
費用としては、
- 首振りジョイントがアストロプロダクツで858円
- ソレノイドバルブが3つで2496円
でした。ホントはゴムパッキンも替えたほうがいいのですが、今回はシリコンオイルを塗布して再利用しました。
しばらく様子を見て再発しなければ一安心です。お疲れさまでした。
なにかのご参考になれば幸いです。
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